物流現場の業務を大幅効率化!SBSロジコムが『TRUSTAR』で実現した改革とは
今回の現場:東扇島支店
物流業界では、ドライバー不足などを理由に改正された物流効率化法が2026年4月に施行されました。これにより一定規模以上の物流業者はもちろん、荷主様や配送先店舗様も配送情報やCO2排出量を把握し、国に報告する義務が課せられたのをご存知ですか?
同時に、物流の最前線では現在もドライバーや車両が不足しており、業務の効率化が切実な急務になっています。
このように、物流に関わる多くのステークホルダーに変革が求められている現在、SBSロジコム東扇島支店では新たなシステムを導入し、飛躍的な業務効率化や荷主様や配送先店舗様との信頼構築、そして、ドライバーの業務負担軽減を実現したそうです。 物流センターの最適化を目指し、新システム導入を主導した第一事業本部トランスポート営業部の下山智さんに詳しくお話を聞きました。
1.大規模な物流センターが抱える新たな課題
毎日約250台の車両が稼働し、約90の店舗へ配送を行なっているSBSロジコム東扇島支店。運行便数は1日約510便にも及び、SBSの車両のみでは対応できないため約30社の協力会社と連携しています。
ドライバー不足が叫ばれるなかでも、地域の物流に尽力していますが、多数の運送会社が協働する大規模拠点ならではの課題を抱えていました。
その1つが、協力会社車両の“位置情報の取得”。SBSの自社車両にはGPSを搭載したデジタルタコグラフという装置があるので現在地がわかりますが、協力会社の車両はリアルタイムで位置が確認できず、有事の際にさまざまな問題が発生していたのです。
「数年前に大雪で交通網が完全にストップしたとき、車両の現在地は電話で確認するしかなく、迅速に『戻ってください』『〇〇に向かってください』といった指示ができず、対処に大きな手間がかかりました。
また、有事の際以外でも、渋滞が起こると荷主様や配送先店舗様などから『あとどのくらいで到着しますか?』という問い合わせが何度も来るため、その返答も大きな負担になっていたんです」
さらに、もう1つの課題が“配送実績の集計”。これまで東扇島支店では、ドライバーが手書きした「積載明細書」を確認し、「便名」「配送先店舗」「車両のサイズ・最大積載量・総重量」「積載した商品の種類・カート(台車)台数」などをSBSの担当者が専用エクセルファイルに全運行分を入力し、「配送実績表」を完成させて、日々、荷主様に送付していました。
毎日510便すべての配送実績を集計するのは、非常に大きな労力がかかっていたのです。
「配送実績を手入力でまとめていたので、早い人でも8時間くらいかかっていたと思います。私も以前担当していましたが、手書きの文字だと読めなかったり、記載にミスがあったりと、大きなストレスでしたね」
2.さまざまな面から運行をサポートする『TRUSTAR』
「東扇島支店で課題を解決するために導入したのが、『TRUSTAR』という位置情報から運行を管理するシステムです。
ドライバーが『TRUSTAR』をインストールしたスマホを携帯しながら配送することで、SBSの管理者や荷主様は、現在地や道路状況を加味した到着予定時刻や積載した荷物の内容を確認できるようになりました。また、GPS機能を用いてドライバーがスマホを触ることなく、自動的に店舗への到着時刻や出発時刻を記録したりすることも可能になりました」

また、『TRUSTAR』の大きなポイントは、自社の運用体制に合わせてさまざまなカスタマイズができることにあります。
東扇島支店では、『積載明細書、運行指示書の自動出力』『スマホカメラ機能を使用した積載物照合検品』『CO2排出量の算出』『ドライバーへの一斉情報送信』といった機能を追加しているそうです。
現在、東扇島支店では、『TRUSTAR』をインストールしたスマホ端末を300台用意し、各協力会社に貸与してドライバーに携帯させています。
ドライバーは配送時に『TRUSTAR』上で「便名」「配送先」「予定到着時間」などの情報を選択して入力。その後、配送予定のカートに貼られた配送先バーコードと積載商品のラベルバーコードをスマホでスキャンして、積載がないか照合を行い、確認したうえで車両に積み込みます。

あとは、出発時に『TRUSTAR』の「運行開始」を押すだけで、自動で現在地や推奨ルートなどが表示され、通行した軌跡や店舗到着時刻、積み下ろし後の出発時刻が記録されるのです。 「配送実績表を作成する際は、『TRUSTAR』に1日の運行データがすべてまとまっているので、出力してデータ加工作業後に荷主様へ送付するだけで作業が完了します。これまで8時間かかっていた業務がわずか1時間で終わるようになり、とても大きな業務削減効率を得ました」
3.SBSロジコムにも荷主様にもドライバーにもいくつものメリットが!
『TRUSTAR』には、業務の大幅な圧縮以外にも、たくさんのメリットがありました。
「『TRUSTAR』により、位置情報や予定通行ルート、積載した荷物の情報は、荷主様や配送先店舗様のスマホやPCのWebブラウザで確認できるため、現在地確認の問い合わせはほとんどなくなりましたね。
また、配送するカートをスキャン照合することで誤送の抑制にもつながっています。万が一問題が起きた場合も、配送に関わる情報が記録されているため、すぐに原因を確認でき、再発防止の施策を打てることも大きなメリットだと思います。あとは、ドライバーから報告を受けたリアルタイムの事故渋滞情報や配送に関わる緊急注意事項などを『ドライバーへの一斉情報送信』の機能を使うことで、迅速に全ドライバーへ周知できるようになった事の効果も大きいです」
荷主様や配送先店舗様にとっても、『TRUSTAR』によって配送状況が可視化できるようになったことで、以前よりも配送に関する安心感が高まったそうです。同時に、荷主様などに義務付けられた配送実績情報やCO2排出量データなどの収集にも役立っています。
さらに、実際に配送を行うドライバーにとっても、積載明細を手書きする必要がなくなり、誤記入も減ったというメリットがあったそうです。
また、以前は積み込み時のスキャン照合も限られた台数のハンディターミナルを事務所から借りて作業していた為、『TRUSTAR』機能に追加したことで全ドライバーが手元のスマホで作業ができるようになり手間が減ったとの声もあがりました。
「『TRUSTAR』を運用してからはメリットばかりです。システム構築の際も、『TRUSTAR』のシステム担当者が我々の要望に真摯に対応してくれたのでスムーズに進みました。半年くらいで導入でき、あまり苦労はありませんでしたね。コスト面でも、専用システムではなく、汎用ソフトをカスタマイズする形だったので安価にできたと思います」
一方で、少し手間がかかったのは、正式な稼働前に『荷主様やドライバーにとってわかりやすい表示設定の構築』や『店舗ごとの自動到着の設定』『協力会社の車両情報の登録』など。稼働後も含め1年ほどかけて細かい部分まで調整し、現在の形になったそうです。
「もっとも大変だったのは、ドライバーさんたちに操作を教えることですね。マニュアルをつくり、出発前の朝3時頃から使用法の説明を行いましたが、最初の頃は、高齢のドライバーさんから『スマホの文字が見えない』なんて声もありました(笑)。 ただ、1カ月くらい経つと、みんな操作に慣れていきましたし、どんな人でも使いやすいシステムになったかなと思います」
4.物流業界の定説を破り、さらなる効率化を目指す
現在でも、東扇島支店では『TRUSTAR』の改善を行っており、例えば、先述の自動的に店舗への到着・出発を認識する機能で誤作動を起こすことがあるため、より精密な位置情報の設定を行なっています。
「『TRUSTAR』の大きなカスタマイズという面では、現状は運行の所要時間や配送先店舗様への滞在時間は記録できますが、センター内での作業時間などは計測できません。改正物流効率化法では、荷物の積み下ろしや運搬、荷待ちなどの時間を1運行あたり最大で2時間以内にするよう定められていますので、そうした付帯作業を計測する機能も実装に向けて動いています。
また、到着前に『10分後に到着します』という電話が必要な荷主様に対しては、電話はお互いにとって手間になるため、オートコールやパトランプでの到着通知機能の提案も行なっていますね」
さらに、東扇島支店ではシステムを活用した業務効率化を超え、物流の根本的な運用体制の変化により、さらなる生産性の向上を見越しているそうです。
「どこの同業種物流センターでも同じだと思うのですが、運行はどうしても早朝に集中します。東扇島支店でも運行便の半数が午前8時まで、残りの半数がその後であり、運行便が朝の短時間に集中しているんです。
これを、例えば『明日の朝到着予定の荷物を、前日の夜に配送する』などにできれば、運行が分散し、少ないドライバーや車両でも対応することが可能になるはずです。これまで定説だった物流体制とは大きく異なりますが、より効率的な配送を実現するため、荷主様や配送先店舗様に提案をしていますね」
SBSロジコム東扇島支店では、これまでの“物流の常識”を見直しながら、システム活用と運用改革の両面から効率化を進めています。 人手不足が深刻化する物流業界において、その取り組みは新たなモデルケースになりそうです。

